2月10日・夕ざりの茶事(1日目)

2018年2月10日・11日
夕ざりの茶事

1日目と2日目にわけてお客様をご招待し茶事を行いました。
夕ざりの茶事は、昼と夜の風情の両方を楽しむことが出来ます。

今回の茶事のテーマは『花』でした。
待合の軸 寒牡丹
本席の軸 一華開五葉
汲みだし 梅酒
本席の花 雲龍梅
花入れ竹 銘 初花
茶入れ 初花写し
菓子 福梅
面 花

1日目
少し雨の降る中、16:00頃に席入りしました。

静かな待合の中では普段聞くことのない、雨の雫の音や響きが聞こえていました。

軒下の雨のかからない立ちつくばいにて
手と心を清めます。

蝋燭の灯る茶席に入り
お客様と亭主との挨拶を交わしました。

炭手前の様子

炭手前のあとは本格的な懐石料理を頂きます。
今回は足が辛くならないように喫椅(きっか)に致しました。


京大和の元板長・佐名木先生から直接指導を受けた庵主夫人の手作りの懐石料理です。

煮物

長崎産鮑と菜の花・蓮根饅頭

焼き物

鱸の幽庵焼き

蒸物

河豚のとっくり蒸し

強肴

酢の物淡路産大穴子と胡瓜

預け鉢

車海老・里芋・三度豆の白味噌

小吸物

なめこ

八寸

そら豆・鯛の酢締め

香の物

とても美味しいお料理とお酒で、皆さんもにっこり笑顔に。
話も弾み、茶室が笑い声で溢れます。

主菓子

ばってんや『福梅』
八洲庵の茶菓子は昔から変わらずばってんやさんのものです。
素材の味を大切に、丁寧に作られています。

社中さんが1日目・2日目共に得意の篠笛を披露してくれました。

素敵な音が響きます。

外露地から内露地へ

息を飲むような幻想的な世界が広がります。

後入りし炉や軸の拝見

最後に濃茶と薄茶を頂きます。

干菓子は、辻占で中にくじがありそれぞれ言葉がありました。宝くじに当たるとか 願いが叶うや 思いが伝わる等… 二個ずつつなげて読みました。
大盛り上がりで、話に花が咲き退席になりました。

八洲庵では茶道の経験がなくても、お客様に喜んでいただける事を一番大切にしています。

1日目のお客様は、海外への移住の長い方が多く外国の様子をお話し頂きました。
社中の皆さんも日本と外国との文化の違いを興味深く聞いていました。

お客様から頂いたメッセージ・一部抜粋

溝田様

大変貴重な経験をさせて頂き、全くの素人である私も茶事を楽しむことができました。 薄茶、濃茶、お菓子、懐石料理のすべて素晴らしく、ロウソクの明かりだけの雰囲気は幽玄で印象深いものでした。日本でお客様をもてなすとはこういうことかと思いました。久しぶりに国内定住するようになり、このような行事に参加させていただき、日本伝統の良さをしみじみ感じております。外国からのお客様もきっとお茶を楽しまれることだと思います。

堀井様

夕ざりの茶事は初めての経験でしたが、昼茶事と夜咄の両方の風情が楽しめ、またあいにくの雨ながら色々にご配慮下さり縁側の待合から眺める露地行燈がとても趣きがあり印象的でした。燈火の下でのお点前や数々の貴重なお道具を静かに拝見していますと『陰翳礼讃』の世界に浸っている心地が致しました。吟味頂いたお茶とお菓子もそれぞれに味わい深く、八洲庵の懐石料理も大変美味しく頂戴しました。
この度は庵主はじめ皆様に大変温かくお迎え頂き、この様な素敵な茶事にお招きに預かり心より感謝申し上げます。

このようなメッセージを頂けて大変嬉しく思います。

2月10日記念写真。

社中の皆様も楽しんで頂けたでしょうか。
お疲れ様でした。